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文・写真:森山由美

(第6回:2009年9月期)


もりもり9月写真1
▲スタバ第1号店を訪ねて! (シアトル)

◇◇ 研修面では… ◇◇
Deaf Hope(デフホープ)
 デフホープから、「日本文化、ろう者の文化などの講演をしてもらいたい」と頼まれ、DV被害者女性たちの前で講演させていただく機会をくださった。
 それまでの準備は大変なもので、英語のチェックも含め、スタッフたちの助けもあって、当日では無事終えることができた。
 デフホープは家庭内暴力をうけた人たちのためのサポートなので、日本の家庭内暴力はどのような環境に置かれていて、どのくらいのクライアントがいるのか、ということに大変興味をもっていた。
 私はインテグレーション経験を通して、ろう教育専門としてきたので、日本における家庭内暴力をうけたろう者たちの状況はまったく無知に近く、インターネットで探しても見つからかったので、聴者対象の施設などを紹介した。
 講演のあとの質疑応答で、「あなたがこうしてインターンシップとしてデフホープに来ているのだから、ぜひ、日本に持ち帰って、第二のデフホープを設立してほしい。暴力をうけたろう者の女性はどこかで我慢して待っているのだから」と熱い声援をいただいた。
 私自身、デフホープに来て、だんだんそういう風に思うようになってきたものも事実で、本当に日本にも設立しておきたいと思う気持ちも生まれてきた。
 日本とは違って、アメリカでは「受容」という言葉自体が強いようだった。その中での悩みと言えば、家庭内の問題、仕事などの悩みが主であった。コミュニケーションで悩むというのはあまりないという雰囲気があった。

 そういったアメリカのろう文化に触れて、「インテグレーションとは何だろう」と改めて思い直すようになってきた。
 日本にいた時は、インテグレーションという経験が自分の人生のなかでとても大きく、その経験を覆すようなことをしたい、という気持ちが強かったが、ここに来て、「自分は自分。インテグレーションをしたから、それが何というの? いま幸せであればそれでいじゃない。あとは人生これからやってくる問題をどう解決するか、よ。」という言葉にたくさん出会った。
 それをどう自分で受け止めるかは、自分次第ということと、自分が温めてきた夢をどう生かすかは、すべて自分の手にかかっているのだということを改めて痛感させられた。
 今までの研修生活で、一番色々なことを考えさせられ、あちこちとボランティアに出かけたりして多忙な月だった。

Abused Deaf Women’s Advocacy Services(ADWAS) in Seattle
 デフホープのスタッフと一緒にシアトルにあるアメリカで最初に建てられたDVサポート施設ADWASを訪問することになった。そのついでに観光し、大変充実した旅となった。
 ADWASでは、先ほど述べたように、ワシントン州から支援、23年間の活動をとおして得た寄付で建てた施設だという。
 3年前にオープニング、アートセラピールームもとても可愛らしい、アメリカならでのスタイルであった。子どもが描く絵には大変興味があり、その絵は環境によって変わるということも、また大切なポイントになるということは新たな発見のひとつだった。

 また、今月から土曜日出勤が始まり、パッチワーク教室のアシスタントも担当となった。寄付イベントとしては、デフホープとして初めての試みのファッションショーも成功。そのファッションショーで売り上げたお金は、すべてデフホープへの寄付となるという。
 大変面白いイベントで、モデルはすべてろう者。「さすが外国人」なだけあって、スタイルもセンスもよく、好評であった。素晴らしい会場とデフコミュニティの連帯感の強さに圧倒された。
「何事も出会いは一瞬。その一瞬を常に大切しなければならないのよ」と常に笑顔で話しているデフホープの運営責任者に、人間として本当に多くのことを学ばせてもらっている。つくづくこの環境に置かれたことに大変感謝の気持ちでいっぱいである。

Light House(盲ろう者支援の団体)ボランティア開始
 何か他にできることはないかと、考えた矢先、「盲ろうの支援ボランティアに来ないか」というチャンスをくださった。
 盲ろう団体Light Houseという団体は、サンフランシスコでは名が知れているという。
 建物はサンフランシスコ市内にあり、駅から2ブロックととても便利なところにあった。そこで、私は料理クラスのお手伝いを始めた。その他に、盲ろう者との交流方法などのワークショップも盛んで、週末に積極的に参加していきたいと思っている。

その他では…
 フリーモントろう学校でのボランティア担当者から先日連絡が入り、9月21日からスペシャルニードクラスの子どもたちの図工サポートなど、3人の先生のもとでボランティアをすることになった。
 授業スタイルもまた異なる3人のもとで学ばせてもらえるということは本当に私にとって大きな経験となると思う。
 また、デフホープの大イベントであるティーパーティー、ゴルフイベントと2月までイベントが続くという。残された時間を慎重に使っていきたい。

◇◇ 生活面では… ◇◇
 9月の初頭に、母と妹が私の所に遊びに来た。
 5年前、母と妹と私で初めての海外旅行でニューヨークの兄の所に行って以来の、久しぶりの家族旅行となった。
 ナパワインナリー、ミュアウッズ国立公園、デフホープ見学などをたくさん観光し、また職場同僚、友達にも家族を紹介した。
 母は私より10年も前に手話を習っており、私が大学で手話を言語として受容した時には、すでに手話を知っていたので、その後コミュニケーションには困らず、私がろう者として生きると決心した時からも、今でも温かく見守ってもらっている。
 色々な意味で、母の手話への理解は私にとって大きい。聴者としての母親として、私にとっても自慢の母である。その母を友達や職場たちに紹介できたということが本当にうれしかった。誰もが母と妹を大変気に入ってくれた。
 たった4日間の短い家族の団らんだったが、私にとっても、息抜きができた4日間であった。たくさんの友達に恵まれているということを母に見せて、安心させることができたので、本当によかったと思っている。

 今の家は大変住みやすく、とても快適であったが、交通機関が不便なため、9月末にまた引っ越すことにした。次は駅から近く、食品スーパーの裏でもあるので便利になる。これで最後の住まいとしたい。

もりもり9月写真2
▲ミステリースポット(フリーモントより1時間車で。サンタクルーズ)
 家が傾いている不思議なエリアを観光


もりもりのインターンシップ先デフホープURL:http://www.deaf-hope.org/

もりもりのプロフィール:
趣味:絵描き、写真。
経歴:
2007年-2008年 NPO法人日本ケアフィットサービス協会勤務。
2008年にダスキン愛の輪運動海外研修障害者リーダー育成第28期に選ばれ、2009年3月渡米。
2009年3月からアメリカのサンフランシスコにてインターンシップ生活中。
2010年3月に帰国予定。

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